タフトに乗っていて、夜道の運転中にライトが勝手に切り替わって驚いたことはありませんか。
オートハイビームは便利な機能ですが、対向車から眩しいと思われていないか不安になったり、逆に作動しない状況になった場合に困ったりすることもあるかと思います。

今回は、気になるオートハイビーム設定の解除方法や、センサーが反応する照度の基準など、役立つ情報をまとめました。
タフトのオートハイビームの仕組みとグレード別機能

タフトには、夜間の安全運転を強力にサポートしてくれる2種類の配光制御システムが用意されています。
グレードによって仕組みが大きく異なるので、まずは自分の車がどちらのタイプなのかを知っておくことが大切です。
ここでは、それぞれのシステムの技術的な特徴や、実際に運転している時に感じる違いについて深掘りしていきます。
Xグレードのオートハイビームが持つ基本性能
タフトのエントリーグレードである「X」や「Xターボ」に標準装備されているのは、AHB(オートハイビーム)と呼ばれるシステムです。
これは非常にシンプルかつ質実剛健な仕組みで、フロントガラスに設置されたステレオカメラが前方の状況を監視し、「ハイビーム」と「ロービーム」を自動でパチパチと切り替えてくれるものです。
の動作イメージ-1024x572.jpg)
基本的には、街灯が少ない暗い道では視認性に優れたハイビームを維持し、対向車のヘッドライトや先行車のテールランプを検知した瞬間に、相手を眩惑させないよう即座にロービームへ落としてくれます。
私自身、昔の車でハイビームの切り替えを忘れて「パッシング」されてしまった苦い経験があるのですが、このAHBがあればそんな心配も減りますよね。
ただし、AHBには技術的な制約もあります。それは「0か1か」のバイナリ制御である点です。対向車を一台でも検知すれば、すべての光をロービームに切り替えてしまうため、対向車とすれ違う瞬間に路肩の歩行者や障害物が見えにくくなるという弱点があります。
コストパフォーマンスに優れた「X」グレードらしい、基本的かつ堅実な安全機能と言えるかなと思います。
また、AHBはハロゲンランプからLEDヘッドランプへの移行期に確立された信頼性の高い技術ですが、あくまで「切り替えの自動化」に特化しています。そのため、視界の広さを常に最大化したいという方にとっては、後述する上位機能と比較すると少し物足りなさを感じる場面もあるかもしれませんね。
Gグレードのアダプティブドライビングビームの利点
一方で、上位グレードの「G」や「Gターボ」、そして特別仕様車の「クロムベンチャー」シリーズに搭載されているのが、より高度なADB(アダプティブドライビングビーム)です。
これ、初めて体験すると本当に感動するレベルの技術なんですよ。簡単に言うと、ハイビームを維持したまま、対向車がいる部分だけを魔法のように「部分遮光」してくれるんです。
の照射イメージ-1024x572.jpg)
ヘッドランプユニット内には複数の高輝度LEDチップが配置されていて、ステレオカメラが捉えた先行車や対向車の位置情報をもとに、そのエリアを照らしているLEDだけをピンポイントで消灯または減光させます。
これにより、相手ドライバーには眩しさを与えず、自分は路肩の看板や遠くの歩行者をハイビームで照らし続けることができるんですね。
軽自動車というカテゴリーで、これほど緻密な可変配光技術が標準装備されているのは、ダイハツがタフトに込めた「安全性へのこだわり」の表れかなと感じます。夜間の郊外路や高速道路を走る際、常にハイビームに近い視界が確保される安心感は、一度味わうとなかなか手放せません。
ただし、ADBも万能ではありません。遮光のパターンを計算して物理的に切り替えるまでには、コンマ数秒のわずかなラグが発生することがあります。急カーブの向こうから突然現れた車に対しては、一瞬だけハイビームを浴びせてしまう可能性もゼロではないので、システムの動きを過信せず、
常に「相手に眩しくないかな?」という意識を持って運転するのが、タフト乗りのスマートなマナーですね。
ADB使用中にハイビーム表示が消えない仕様の解説
タフトの「G」グレード以上のオーナーさんからよく相談を受けるのが、「対向車とすれ違う時もメーターの青いハイビームマークが点灯したままで、相手に悪い気がする」という悩みです。
結論から言うと、これは全く問題のない、タフトの正常な仕様です。故障ではないので安心してくださいね。
ADB(アダプティブドライビングビーム)は、その名の通り「ハイビームをベースに状況に適応(アダプティブ)させる」機能です。
システムとしては常にハイビームを主役として動いているため、一部を遮光していても「ハイビームの状態ですよ」という合図として青色のインジケーターが点灯し続ける仕組みになっています。これを「切り替わっていない」と誤解して、慌てて手動でロービームにする必要はありません。
逆に、青色のマークだけがついていて緑色の「A」マークが消えている場合は、手動でハイビームに固定されている状態です。この時は自動で遮光してくれないので、対向車が来たらすぐに手動で戻してあげてくださいね。
このように、表示灯の意味を正しく知ることは、高度な安全機能を使いこなすための第一歩かなと思います。

見極めのポイントは、メーターパネル内の緑色の「A」マーク(オート表示灯)です。
この緑色のアイコンと、青色のハイビームマークが同時に点灯していれば、「システムが賢く配光をコントロールして、相手を眩しくさせないように守っていますよ」というサインになります。
これを理解しておくだけで、夜のドライブの不安がグッと解消されるはずですよ。
夜間の安全を担うスマートアシストの検知ロジック
タフトが夜の闇の中でも的確に配光をコントロールできるのは、フロントガラス上部に設置された「スマートアシスト」の要であるステレオカメラのおかげです。
このカメラは人間の目と同じように左右2つのレンズを持っていて、物体までの距離や形を驚くほど正確に立体として捉えることができるんですね。
カメラの「脳」にあたるコンピューターは、前方にある光の点を「これは対向車のヘッドライト」「これは先行車のテールランプ」「これは街灯や自動販売機」といった具合に一瞬で判別しています。この解析能力の高さが、対向車を眩惑させない緻密な遮光制御を可能にしているんです。

まさにタフトの「目」として、私たちの安全を24時間見守ってくれているような存在ですね
ただし、ステレオカメラはあくまで「光学センサー」なので、視界を妨げる物理的な要因には弱いです。
例えば、激しい豪雨、濃霧、激しい吹雪などはカメラの視界を乱反射させ、他車の光源を正しく特定できなくなることがあります。また、強い光を反射する大型の道路標識やミラーを車と見間違えて、不自然にライトを切り替えてしまうこともたまにありますね。

こういった特性は故障ではなく、現在の技術的な限界でもあります。もし「今日はシステムの動きがぎこちないな」と感じたら、それはカメラが苦戦しているサインかもしれません。
そんな時は無理をせず、ライトスイッチを「ON(手動点灯)」の位置に回して、自分の目で判断して切り替えるのが一番安全かなと思います。
オートハイビームが作動しない作動条件と車速
「オートハイビームの設定にしているのに、なかなかハイビームに切り替わらない!」と不満に思うこともあるかもしれません。これ、実は故障ではなく、タフトに設定された「作動条件」を満たしていないだけのケースがほとんどなんですよ。

最も重要な条件は、走行している「速度」です。タフトのオートハイビーム(AHB/ADB)が本格的に自動制御を開始するのは、一般的に自車速度が約30km/h以上になってからです。
これは、歩行者が多くて街灯も明るい市街地での低速走行時は、あえてハイビームを抑制し、視認性が切実になる郊外路などで支援を強化するという、ダイハツの賢い設計思想に基づいています。
| 走行シーン | 車速(目安) | システムの状態 |
|---|---|---|
| 信号待ち・停車中 | 0km/h | 必ずロービーム(待機状態) |
| 狭い路地・徐行中 | 20km/h以下 | 原則としてロービームを維持 |
| 幹線道路・郊外路 | 30km/h以上 | 自動制御がアクティブになり、状況に応じてハイビーム化 |
| 減速時 | 約20km/h以下 | 自動的にロービームに復帰または待機 |
また、速度以外にも「周囲の明るさ」が影響します。都会の明るい幹線道路のように、カメラが「十分に明るい」と判断した場合は、速度が出ていてもロービームのままになることがあります。
もし動作を確認したい時は、安全な場所で街灯の少ない真っ暗な夜道を30km/h以上で走ってみるのが一番手っ取り早い確認方法ですね。
照度センサー感度の調整とフロントガラスの清掃
最近のタフトに乗っていて「まだ外は明るいのにライトがつくのが早すぎる!」と感じたことはありませんか。これは実は、2020年から段階的に施行された「オートライトの義務化」に対応するための仕様なんです。
保安基準では、周囲の明るさが1000ルクス未満になった際、2秒以内に前照灯を自動点灯させることが義務付けられています。
(出典:国土交通省『道路運送車両の保安基準の細目を定める告示の改訂について』)

タフトでは、この基準を確実に守るために、少し余裕を持たせた約1100ルクスという早めのタイミングでライトがつくように設定されています。
この「早めの点灯」は、自分が見えるようにするためだけでなく、周囲の歩行者や車から「あなたの車を早く見つけてもらう」ための非常に重要な安全対策なんですね。夕暮れ時は交通事故が最も多い魔の時間帯ですから、早めの点灯は大きな安心につながります。
さらに、システムの精度を保つためには日頃のメンテナンスも欠かせません。ステレオカメラの視野にあたるフロントガラス部分が汚れていたり、油膜がついていたりすると、センサーの感度が鈍くなってしまいます。
特に注意したいのが「フロントガラスの撥水剤」です。カメラ周辺に強力な撥水剤を塗ると、雨粒が変な形で残ってしまい、カメラが「視界不良」と判断してシステムを停止させてしまうことがあります。ガラスは常にクリアな状態を保つのが、タフトの賢い機能を100%引き出すコツですよ。
タフトのオートハイビームの設定変更と解除の手順
オートハイビームは非常に便利な機能ですが、中には「自分のタイミングで切り替えたい」「対向車に迷惑をかけていないか気になって運転に集中できない」という方もいらっしゃるかと思います。
ここでは、そんな時に役立つ設定の変更方法や、手動での介入の仕方を詳しく解説します。ただし、設定変更にはデメリットもあるので、注意深く読んでくださいね。
隠しコマンドでオートハイビームを解除する裏技
タフトのオーナーさんの間で「裏コマンド」とも呼ばれている、標準のメニューには載っていないオートハイビームの解除手順が存在します。

ディーラーに持ち込まなくても自分で機能を無効化できるのですが、複雑な操作が必要です。
コツは、「10秒以内」に、正確なリズムで一気にやり切ることです。一度失敗しても諦めずに挑戦してみてくださいね。
オートハイビーム完全解除の手順

- ブレーキを踏まずにエンジンスタートボタンを2回押し、イグニッションON(電源が入った状態)にします。※エンジンはかけないでください。
- 右側のライトスイッチが「AUTO」の位置にあることを確認します。
- ライトスイッチの先端部分を、奥(車両前方)へ「1、2、3、4」と4回ひねります。
- 次に、レバーを手前(パッシング位置)にグッと引いたまま、同じ先端部分を今度は手前へ「1、2、3、4」と4回ひねります。
- 操作が成功すると、メーター内の緑色の「A」マークが5回点滅し、設定完了を知らせてくれます。
この手順を終えると、ライトスイッチが「AUTO」の状態でも、勝手にハイビームに切り替わらなくなります。元に戻したい時は、もう一度同じ操作を繰り返せばOKです。
ただし、この方法はメーカーが積極的に推奨しているものではないので、あくまで自己責任で行うようにしましょう。
また、操作がうまくいかない時は、一度電源を切ってから落ち着いて最初からやり直してみるのが近道ですよ。
裏コマンドの実行でサイドビューランプが消える罠
「オートハイビームをオフにできてスッキリした!」と喜ぶのも束の間、実はこの隠しコマンドには見落とせない大きな落とし穴があります。
それは、夜間の右左折時にハンドルを切った方向を明るく照らしてくれる「サイドビューランプ」までもが、道連れになって消えてしまうことです。
タフトの制御システム上、オートハイビーム(AHB/ADB)とサイドビューランプは一つの「夜間走行支援パッケージ」として統合されています。そのため、コマンドでメインの機能を切ってしまうと、パッケージ全体が機能停止してしまうんです。
サイドビューランプは、交差点での歩行者の巻き込み防止にものすごく役立つ装備です。これがないと、夜の右左折が驚くほど暗く、不安に感じるかもしれません。

「ハイビームの自動切り替えが嫌だ」という理由だけでこの解除を行ってしまうと、大切な「側面の視界」という安全装備まで捨ててしまうことになります。
解除を検討している方は、このトレードオフをしっかり天秤にかけて判断してくださいね。私個人としては、サイドビューランプの恩恵が大きいので、そのままの設定で乗ることをおすすめしたいかなと思います。
対向車が眩しい時に役立つレバー操作と強制解除
「完全に機能をオフにするほどではないけれど、対向車が多い道だけは一時的に大人しくさせたい」という場面もありますよね。そんな時に一番簡単で確実な方法は、ライトスイッチのつまみを「AUTO」から一つ上の「ON(手動点灯)」の位置へ回すことです。
この「ON」の位置にしている間は、オートハイビームの制御が一時的にスリープ状態になります。周囲が暗ければロービームが点灯し続け、勝手にハイビームに上がることはありません。
対向車が途切れない市街地や、システムが少し過敏だなと感じる天候の時などは、この操作が一番ストレスなく走れる解決策になるはずです。

逆に、非常に暗い山道などで「システムを待たずに今すぐ遠くまで照らしたい!」という時は、レバーをカチッと奥へ押し込んでみてください。
これで強制的に「ハイビーム固定」になります。ただし、この状態だと対向車が来ても自動で戻ってくれないので、相手が見えたらすぐにレバーを中央に戻す「優しさの操作」を忘れないようにしましょう。
タフトの高輝度LEDはかなり明るいので、マナーを守った使い分けがかっこいいドライバーの証ですね。
オートライトの義務化に伴う点灯感度の法的基準
タフトに乗っていると「トンネルを出た後もしばらくライトが消えない」「まだ全然明るい夕方なのにつく」といった、ライトの点灯感度に対する不満を感じることがあるかもしれません。
でも、これは決してタフトの不具合ではなく、最新の保安基準に厳格に適合させている結果なんです。
以前の車であれば、設定メニューから点灯タイミングを「遅め」に変更できることもありましたが、2020年以降の新型車(タフトを含む)では、ユーザーが任意に点灯を遅らせるような調整は基本的にはできなくなっています。
これは、ドライバー個人の「まだ見える」という主観的な判断よりも、歩行者や周囲の他車からの「見えやすさ(被視認性)」を優先し、事故を未然に防ごうという社会全体のルール変更によるものです。
実際、夕暮れ時の早めの点灯によって、歩行者が車に気づくまでの距離が大幅に伸びるというデータもあります。タフトのライトが「お節介」に感じるくらい早くつくのは、それだけあなたと周りの人の安全を守ろうとする真面目な設計の現れなんです。
正確な基準や詳細はダイハツの公式サイトでも案内されているので、気になる方はチェックしてみると納得感が増すかもしれませんよ。
安全な夜間走行のためのタフトのオートハイビーム活用

ここまで、タフトのオートハイビームについて仕組みから裏技的な設定まで詳しく見てきましたがいかがでしたか。
タフトに搭載されている配光制御システムは、軽自動車の枠を超えた非常に高度なテクノロジーです。特にタフトのオート ハイビーム(AHBやADB)を正しく理解し、賢く使いこなすことは、夜のドライブを劇的に安全で快適なものに変えてくれます。

システムには必ず「得意なこと」と「苦手なこと」があります。時速30km以上で本領を発揮すること、カメラの汚れに敏感なこと、そして時には手動での介入が必要なこと……これらを頭の片隅に置いておくだけで、システムに対する不満や不安もスッと消えていくかなと思います。
最新の技術は、あくまで私たちドライバーを助けてくれるパートナーです。時には機械に任せ、時には自分の意思で切り替える。そんな柔軟な付き合い方が、タフトとの時間をより豊かなものにしてくれるはずですよ。
夜道でタフトの頼もしい光が遠くまで照らし出した時、その安心感こそが、この車を選んで良かったと思える瞬間の一つかもしれませんね。これからも安全第一で、タフトと一緒に素敵なカーライフを楽しんでいきましょう!
※本記事で紹介した数値や操作手順は、一般的な目安やユーザー間の情報を元に構成しています。車両の年式、型式、ソフトウェアのバージョンによって仕様が異なる場合がありますので、正確な情報は必ずお近くのダイハツ販売店や公式の取扱説明書でご確認ください。安全に関わる機能ですので、最終的な判断やカスタマイズは専門家の指導のもと、自己責任で行うようお願いいたしますね。


