軽自動車のプラグ交換、気にはなっているけれど、「費用はどのくらいかかるの?」「いつ交換すればいいの?」といった疑問をお持ちではありませんか?
近年の軽自動車のプラグは、昔に比べて長寿命で高性能なものが主流となりました。しかし、プラグがエンジンにとって重要な「消耗品」であることには変わりありません。交換を怠ってしまうと、エンジンのパワーダウンや燃費の悪化、最悪の場合はエンジンが不調になる原因につながります。
この記事では、そんなプラグ交換をこれから検討される方のために、必要な費用の相場や交換時期の目安、DIYで交換する場合の注意点などを、初心者の方にも分かりやすく解説します。愛車を長く、快適に乗り続けるために、ぜひ参考にしてください。
記事のポイント
軽自動車 のプラグ交換 に必要な費用ってどのくらい?

軽自動車のプラグ交換にかかる費用は、「部品代」と「工賃」の合計で決まります。特に工賃は、依頼するお店によって差が出やすいポイントです。
また、軽自動車の車種によってはDIYによる作業でも比較的簡単に交換できるため、スパークプラグの部品代のみで費用をおさえることもできます。
プラグの種類による価格の違い
プラグには、主に以下の3つの種類があり、それぞれ特性や価格、交換時期が異なります。
| 種類 | 一般プラグ | 白金プラグ | イリジウムプラグ |
| 料金相場 | 500円~1,000円 | 1,500円~2,500円 | 2,000円~4,000円 |
一般プラグ(ニッケル)
一般プラグの特徴は1本あたり500円~1,000円程度と最も安価です。
電極の素材がニッケル合金で、火花を飛ばす部分が比較的摩耗しやすいため、寿命は短めです。燃焼効率や始動性も、後述の高性能プラグに比べると劣ります。
今までの軽自動車には一般プラグが多く採用されていましたが、最近ではエンジンの高性能化にともない新車時からイリジウムプラグを装着している車が多くなりました。
白金プラグ
白金プラグの特徴は1本あたり1,500円~2,500円程度です。
電極の先端に白金(プラチナ)が使用されており、ニッケルプラグに比べて耐久性が非常に高いのが特徴です。そのため、寿命が長く、安定した火花を継続して飛ばすことができます。エンジンの始動性や燃費性能も向上します。
イリジウムプラグ
イリジウムプラグは1本あたり2,000円~4,000円程度です。
電極の先端に非常に硬いイリジウム合金が使われており、中心電極が極細であるため、より強力で安定した火花を効率的に発生させ、エンジンの燃焼効率や加速性能を最大限に引き出します。
注意事項としては、イリジウムプラグには2種類ありそれぞれ交換サイクルが違うということです。
| プラグの種類 | 一般寿命タイプ | 長寿命タイプ |
| 交換目安(軽自動車) | ~ 10,000 km | ~ 50,000 km |
交換サイクルを減らして工賃を安く抑えたい場合には、一般寿命タイプよりも長寿命タイプのイリジウムプラグを選ぶと良いでしょう。
プラグの本数は車種によって違う
軽自動車のプラグは、一般的に3本または4本使用されています。
例えば、ダイハツ「タント」やスズキ「ワゴンR」のような3気筒エンジンを搭載した車種は3本、一部の4気筒エンジンを搭載した車種は4本が必要になる計算です。
4気筒エンジンの軽自動車は「90年代~2000年代初期のスポーツ系・上級モデル」に集中していて、今ではほぼ絶滅。現行軽は燃費やコスト重視で3気筒が主流です。
また、ホンダ「ライフ(JB5/JB6)」や「ゼスト」などに搭載されていたP07Aエンジンは、1気筒あたり2本のプラグを使用する「ツインプラグ」構造のため、合計で6本のプラグが必要になり2倍の費用がかかります。
このように、車種やエンジンによってプラグの本数は異なるため、交換前にはご自身の車の仕様を確認しましょう。
例:3気筒エンジンの軽自動車の場合
2800円(プラグの価格)×3(必要本数)=8400円(プラグの代金)
お店ごとの工賃相場

軽自動車のプラグ交換費用の相場は3気筒で3000円が一般的ですが、依頼するお店によって以下のように異なります。
| お店 | ディーラー | 整備工場 | カー用品店 |
| 交換工賃 | 4,000円~8,000円 | 3,000円~6,000円 | 2,000円~4,000円 |
ディーラーは信頼性・安心感は高いが、工賃はやや高め。整備工場はディーラーよりやや安いことが多いですが工場によって料金差が大きいため、事前に見積もりを取るのがおすすめです。
また、カー用品店(オートバックス・イエローハット)など工賃は比較的安いですが、持ち込みは不可となるケースが多いので注意しましょう。
DIYで交換した場合の費用と注意点
軽自動車のプラグ交換は車種にもよりますが、エアクリーナーを取り外すだけで交換できるような比較的簡単なものがあるので、自分で交換してしまって工賃費用を節約することができます。
また、プラグをAmazonなどの通販サイトから購入することができるので部品自体を修理工場より安く手に入れることも可能です。
ただし、プラグレンチと呼ばれるプラグを取り外す専用の工具が必要になります。「工具を買ったら逆にお金がかかった」なんてことならないように注意しましょう。
DIYによるプラグ交換の注意点
プラグ交換は誤った方法で行うと、エンジンに重大な損傷を与えるリスクがあります。もし自信がない場合は、プロに任せるのが安全です。
軽自動車のプラグ交換の費用と交換時期

交換時期は、プラグの種類によって大きく異なります。安価な一般プラグは比較的短いサイクルでの交換が必要ですが、高性能なイリジウムプラグや白金プラグは、長期間にわたって安定した性能を維持するため、交換サイクルも大幅に長くなります。
ご自身の車のプラグがどのタイプか、そして最後にいつ交換したかを確認し、適切なタイミングで交換することが、愛車を長く、そして安全に乗り続けるための鍵となります。
プラグの種類と走行距離による交換目安
プラグの交換時期は、プラグの種類によって大きく異なります。
また、普通自動車と軽自動車では軽自動車の方がプラグの負担が大きいため、普通自動車の交換時期の約半分が交換目安となります。
軽自動車のプラグ交換の目安(走行距離)
| プラグの種類 | 一般プラグ | 白金プラグ | イリジウムプラグ(一般寿命) | イリジウムプラグ(長寿命) |
| 交換の目安 | 7千~1万km | 5万km | 7千~1万km | 5万km |
ただし、「〇万km」という目安はあくまで一般的なものであり、エンジンの使い方(短距離走行が多い、高速走行が多いなど)によっても劣化の度合いは変わります。
もし、長距離走行が多いというユーザーであれば、プラグの値段が高い高寿命タイプのイリジウムプラグを選択した方が交換サイクルを抑えることができるため、結果的にプラグの交換費用を安く抑えることができるでしょう。
10万キロ走行した場合のプラグ交換の費用の違い(3気筒の場合)
| プラグの種類 | 一般プラグ | イリジウムプラグ(長寿命) |
| 1回あたりの費用 | 1,000円×3本+3,000円=6,000円 | 3,000円×3本+3,000円=12,000円 |
| 交換回数 | 10回 | 2回 |
| 交換費用(整備代金込) | 6万円 | 2万4千円 |
一般プラグは1本1,000円。イリジウムプラグは1本3,000円。交換工賃は3,000円で計算しています。
プラグ交換を怠るとどうなる?不具合のリスク

軽自動車のプラグ交換を怠ると、エンジン不調や燃費悪化など、さまざまな不具合を招いてしまいます。
点火プラグは燃料に火をつける重要な部品です。摩耗や劣化が進むと、火花が弱くなり、エンジンの燃焼効率が低下してしまうからです。
例えば、プラグが劣化したまま走り続けると以下のような症状が現れます。
さらに未燃焼のガソリンが排気系に流れ込み、最悪の場合には触媒を傷めて高額修理が必要になるケースもあります。
「多少調子が悪くても、すぐに壊れるわけじゃないのでは?」と思う方もいるかもしれません。確かに、プラグの交換時期がすぎてもすぐに走れなくなるわけではありませんが、放置するほど修理代は高額になりやすく、結果的に大きな負担になる可能性もあるでしょう。
このように、プラグ交換を怠ると燃費悪化から重大な故障までさまざまなリスクを招きます。安心して軽自動車に乗り続けるためにも、走行距離や交換目安に合わせて早めの交換を心がけることが大切です。
軽自動車に必要なプラグ交換費用の目安【まとめ】

プラグ交換は、軽自動車の性能を長く維持し、トラブルを未然に防ぐために不可欠なメンテナンスです。
最後に、この記事で解説したポイントをまとめます。

